横川中堂(読み)よかわちゆうどう

日本歴史地名大系 「横川中堂」の解説

横川中堂
よかわちゆうどう

[現在地名]大津市坂本本町

横川の本堂如法によほう塔の南に位置し、首楞厳しゆりようごん院とも根本観音こんぽんかんのん堂とも称される。入唐求法の旅から帰国した円仁が嘉祥元年(八四八)九月に一堂建立聖観音像と毘沙門天像の二尊を安置したのが始まり。二尊は円仁が入唐求法の際、大風に遭遇し南海に没せんとしたが、観音力を念じたところ毘沙門天が現じて嵐が静まったという霊験(阿娑縛抄諸寺縁起)に基づき円仁自身が建立したという。同年の落慶供養の出仕配役を「叡岳要記」でみると、本願主円仁のほか左方は呪願に安恵、引頭に恵亮、右方は導師に光定、引頭に安然、散華に円珍など。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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