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散華 さんげ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

散華
さんげ

仏教儀式および声明曲名。散花とも書く。四箇法要二箇法要のなかで,仏前に紙の蓮片や樒 (しきみ) の葉などをらして道場を清め仏を賛美する行事およびその声明。上中下 (前中後) の3段から成り,上段は起立して,中,下段は行道しながら声明を称え,「供養」の文のところでを散らす。中段は本尊によって経文を変える。次第散 (連散華ともいう) と同音散華の2形式があり,前者は散華師が称えてから職衆が同じ句を繰返し,後者は散華師が頭の句を称えたのち職衆が助音するものである。真宗では,三奉請 (さんぶじょう) という曲を用いるなど,宗派によって声明としての名称は異なることがある。

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デジタル大辞泉の解説

さん‐げ【散華/散花】

[名](スル)
花をまいて仏に供養すること。
四箇の法要の一。梵唄(ぼんばい)のあとにシキミの葉あるいは花を散布すること。また、紙製の蓮華の花びらを花筥(けこ)に入れ、散布すること。
《花を散らす意から》死ぬこと。特に、若くして戦死すること。「南方洋上に散華する」
[補説]書名別項。→散華

さんげ【散華】[書名]

高橋和巳の小説。昭和38年(1963)「文芸」誌に発表。

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世界大百科事典 第2版の解説

さんげ【散華】

仏教経典には仏が説法するときは,天から花が降って来ると説かれているが,これは天人が仏を讃嘆することをしめす。このように仏を讃嘆し供養するために,仏のまわりをめぐりながら,花を地に散らすのが散華である。したがって散華には三匝(さんそう)または七匝の行道(ぎようどう)をともなうものである。また散華には仏を讃嘆する声明(しようみよう)(伽陀)をともなうもので,法要には《散花》,《対揚》,《梵音》,《錫杖》の声明をとなえるのが正式となっている。

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大辞林 第三版の解説

さんげ【散華】

( 名 ) スル
〘仏〙
仏を供養するために花をまき散らすこと。
特に法会ほうえで、偈を唱えながら列をつくって歩き、蓮はすの花びらの形をした紙をまき散らす法要。
戦死を美化していう語。 「南海に-した勇士」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

散華
さんげ

仏を讃(たた)え供養(くよう)するために花を散布すること。もとインドで花や香(こう)を地にまいてその場を清め、また花香をもって信仰対象を供養したことに由来する。古くは蓮(はす)などの花びらを散布したが、日本では紙製の蓮弁(れんべん)形の花びらや樒(しきみ)の花または葉が用いられることもある。大法会(ほうえ)のときに行う4種の儀式(四箇法要(しかほうよう)――梵唄(ぼんばい)、散華、梵音(ぼんおん)、錫杖(しゃくじょう))の一つで、これをつかさどる主僧を散華師(さんげし)という。道場内を行道(ぎょうどう)しつつ行う行道散華と、着座のまま行う次第(しだい)散華とがある。散華の花は、法要のあとで、参拝者たちが自由に持ち帰れる。[阿部慈園]

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世界大百科事典内の散華の言及

【花】より

…ミズキなどの枝に花が咲いたように小さな餅をつける餅花も,神霊の依代であり,吉兆笹はその変形である。法会の席に摘んだ花や花弁をまく散華の風は仏教がもたらしたが,あまり一般化していない。花びらの代りにシキミの葉をまくことがあるほか,花はちぎらないで自然のままに立てて供えるのが普通で,花を立てて神霊を迎えた古来の作法がよく守られている。…

※「散華」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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