横川駅(読み)よかわのえき

日本歴史地名大系 「横川駅」の解説

横川駅
よかわのえき

古代東山道の近江最北の駅で、前駅は鳥籠とこ(現彦根市)。「延喜式」兵部省に一五疋の駅馬を備える駅として登載。大宝令に中路と規定された東山道駅の駅馬数一〇疋より五疋多いが、これは近江国内の他の東山道駅と同じで、都と不破ふわ(現岐阜県不破郡関ヶ原町)を結ぶ要路であったためと思われる。「和名抄」に登載の坂田郡駅家郷の名が当駅所在郷で、その位置は馬屋うまやたに・馬屋ノ谷口という小字が残る現山東さんとう梓河内あんさかわちであったと推定される(ただし現米原町醒井説もある)。その一帯は、天野あまの川に注ぐ支流が「涸れ川」の谷を東西方向に形成して、古道の通過を容易にしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報