朝日日本歴史人物事典 「橘氏公」の解説
橘氏公
生年:延暦2(783)
平安前期の公卿。清友と粟田小松泉子の子。奈良麻呂の孫。嵯峨天皇皇后橘嘉智子は姉。弘仁6(815)年1月従五位下。以後,右衛門督,右近衛中将などに任じられる一方,蔵人頭として嵯峨天皇に重んじられた。承和11(844)年7月右大臣となったが,このころから病気がちで家にひきこもり政治にはタッチしなかった。薨伝に「太后弟(たること)をもってこの顕要を歴る」とあるように,才能よりも姉の存在に負うところが大きかったようだ。嘉智子と共に橘氏の子弟の勉学施設として学館院を設立したことでも知られる。
(瀧浪貞子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報