現代の不安な社会のなかで孤独になり、深刻な悩みごとをもっている人々に電話という手段で援助や励ましを与える相談機関。欧米では1950年代から始まったが、日本では1969年(昭和44)にキリスト者の有志が発意、1971年10月から活動を開始した。2010年(平成22)の時点で、東京をはじめ全国に50センターが設置され、夫婦問題、男女関係、人生への懐疑、自殺、青少年の悩み、医療問題などの相談に応じている。しかし、相談数が多く電話回線がつねに混み合っている地域もあり、体制の充実が望まれている。なお、在日外国人のためのポルトガル語、スペイン語などに対応したセンターもあり、また日本自殺予防学会などとの協力も行われている。
[岩井弘融]
『江見太郎著『いのちの電話 死に急ぐ人々のために』(1980・桃園書房)』▽『稲村博著『眠らぬダイヤル――いのちの電話』(1981・新曜社)』▽『石井完一郎・斎藤友紀雄著『いのちの電話 危機介入と電話相談』(1986・至文堂)』▽『植村圭子著『こころパタパターン「いのちの電話」運動とともに歩んで十五年』(1994・カロス出版)』▽『日本いのちの電話連盟編『電話による援助活動 いのちの電話の理論と実際』(1997・学事出版)』▽『佐藤誠・高塚雄介・福山清蔵著『電話相談の実際』(1999・双文社)』▽『奈良「いのちの電話」協会編『実践電話カウンセリング いのちの電話の現場から』(1999・朱鷺書房)』▽『樋口和彦監修『ひとりで悩まずに…いのちの電話』(2001・ほんの森出版)』▽『ダイアン・アッカーマン著、二階堂行彦訳『いのちの電話――絶望の淵で見た希望の光』(2004・清流出版)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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