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欧州安全保障・協力機構 おうしゅうあんぜんほしょうきょうりょくきこうOrganization for Security and Cooperation in Europe

知恵蔵の解説

欧州安全保障・協力機構

欧州を中心とする多国間地域安全保障機構。欧州安全保障・協力会議(CSCE)が1995年に改組・改称した。75年7月、欧州諸国に米国、カナダを加えた35カ国の首脳が集って開催されたヘルシンキ会議では、全欧州の安全保障、経済・科学技術、および環境・人権問題の3つの分野での協力を主張したヘルシンキ最終文書が採択された。信頼醸成措置を講ずることが掲げられ、欧州デタントの第一歩と評価されたが、人権問題で東西間の意見が対立、その後停滞した。冷戦終結後、「北大西洋条約機構(NATO)対ワルシャワ条約機構」という従来の構図を超えた欧州における新秩序の構築が急務と考えられるようになり、「欧州共通の家」(ゴルバチョフ)、「欧州連邦」構想(ミッテラン)などが提唱され、CSCEが再び注目された。90年11月、15年ぶりに開催されたCSCE首脳会議はパリ憲章を採択し、欧州の東西分断の終焉(しゅうえん)、民主主義の強化、不戦条約と通常戦力削減の調印とドイツ統一の歓迎などで合意した。92年7月の首脳会議では、紛争対応能力強化を柱とする「ヘルシンキ文書92(新ヘルシンキ宣言)」を採択し、安全保障協力フォーラム(FSC)の新設を定めてCSCEの機構改革を行った。94年12月の首脳会議では、真のパートナーシップ構築、バルト問題などを内容とする「ブダペスト首脳会議宣言」と、機関の機能強化を定めた「ブダペスト諸決定」が採択された。こうして95年3月の欧州安全保障条約(パリ憲章)ではOSCEへの改組が決まり、国連憲章第8条に基づく紛争予防・危機管理のための機構に格上げされた。しかし、旧ユーゴ紛争などを通してNATOによる「力の解決」が表にでるようになって、OSCEは次第に注目されなくなってきている。

(渡邊啓貴 駐仏日本大使館公使 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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