歌徳説話(読み)かとくせつわ

百科事典マイペディア 「歌徳説話」の意味・わかりやすい解説

歌徳説話【かとくせつわ】

和歌を詠むこと,またその和歌によって,神仏や人々の心を動かし,利益を得るという説話。《日本書紀》雄略天皇条に,舎人木工の命をその和歌に感じて許したとあるのが早い。《古今和歌集仮名序》に和歌を〈力をも入れずして天地を動かし,目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ〉と説くことなどから神秘化の度合を高め,〈和歌陀羅尼〉観の影響もあって,中世説話文学に積極的に取り上げられた。近世初期には版本や絵巻の《和歌威徳物語》など,それのみをテーマとする作品の成立を見るに至る。

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