古今和歌集仮名序(読み)こきんわかしゅうかなじょ

百科事典マイペディア 「古今和歌集仮名序」の意味・わかりやすい解説

古今和歌集仮名序【こきんわかしゅうかなじょ】

古今和歌集》の仮名文序文。905年,撰者の一人,紀貫之によって書かれた。冒頭〈やまとうたは人の心を種としてよろづの言の葉とぞなれりける〉と和歌の本質を説き,続いて起源技法・歴史・編纂(へんさん)の経緯などを述べる。内容は中国の詩論に範を仰ぎつつも,日本最初の勅撰和歌集の序にふさわしく,国風の確立の意欲あふれる独自の文学論となっている。貫之漢文で書かれた真名序(まなじょ)に対して,大和言葉を用いて日本人による日本の歌の論を展開しようとしたのである。修辞を駆使した格調高い文体は,以後,和歌集の序文の規範となったのみならず,その主張,文学観はその後の日本文学全般を規定するほどの甚大な影響を与え続けた。
→関連項目歌徳説話

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世界大百科事典(旧版)内の古今和歌集仮名序の言及

【ことば(言葉)】より

…〈ことば〉という日本語の原型は〈こと(言)〉であり,〈ことば〉はその派生語として,おそらく7,8世紀のころより用いはじめられたらしい。最古の日本語文献である《古事記》《万葉集》の場合,〈ことば〉は数例しかみられないのに対し,〈こと〉は〈よごと(寿詞)〉〈かたりごと(語り事)〉〈ことあげ(言挙げ)〉〈ことわざ(諺)〉,また〈ことほぐ(言祝ぐ)〉〈ことどう(言問う)〉などの複合語形で多数みいだされるからである。…

※「古今和歌集仮名序」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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