歌舞伎劇場(読み)かぶきげきじょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歌舞伎劇場」の意味・わかりやすい解説

歌舞伎劇場
かぶきげきじょう

歌舞伎を演じる劇場。一般的呼称となったのは新しく,かつては芝居小屋芝居小屋,芝屋と呼ばれていた。ただし,今日では歌舞伎専有の劇場をさし,歌舞伎上演機能を建築上もっているものをいう。入口やぐらを組み,竹矢来,むしろ張りで外郭とし,能舞台の襲用に始り,次第に付舞台を加え,桟敷土間ともに拡張,板囲い式となり,享保2 (1717) 年板葺屋根が許可され,同9年に全蓋式,客席実現。舞台機構は元文 (36~41) 頃に花道から名のり台を架設,宝暦8 (58) 年には1世並木正三回り舞台考案,同 12年にせり出しの機構が整い,寛政8 (96) 年には能舞台から踏襲した破風が撤去され,幕末の弘化4 (1847) 年には二重の回り舞台である蛇の目回しを発生させている。

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世界大百科事典(旧版)内の歌舞伎劇場の言及

【劇場】より

… 反面,それは世界のさまざまな土地に存在していた多様な劇場のかたちを画一化し,それぞれの土地に固有の演劇の楽しみ方を押しつぶしてしまう結果をもたらした。そのことによって,シェークスピアのグローブ座や江戸時代の歌舞伎劇場,インドや中国の芝居小屋にあった宇宙的な力との交感の場,演じる者と見る者との交流の場としての劇場の特質が失われた。演劇は劇場のうちに閉じこめられ,演じる者と見る者とが分断される。…

※「歌舞伎劇場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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