歌舞練場(読み)かぶれんじょう

改訂新版 世界大百科事典 「歌舞練場」の意味・わかりやすい解説

歌舞練場 (かぶれんじょう)

京都の花街にある芸妓舞妓のための歌舞音曲の練習場であり,その発表のための会場である。1872年(明治5),京都博覧会の協賛余興として行われた〈都をどり〉が大好評であったので,翌73年,四条花見小路下ル西側に祇園甲部花街が歌舞練場を設け,以後継続的に毎年4月〈都をどり〉を開催するようになった。1913年には東側に,35年に現在の東山区祇園町南側570に移った。それに刺激されて,他の花街もつづいて,それぞれの廓内に歌舞練場を持つようになった。いずれも,改築移転を繰り返して今日にいたっているが,1895年の平安奠都(てんと)1100年記念の事業として,現在の位置に新築しているところが多い。温習会とは別に,〈都をどり〉同様,先斗町歌舞練場では〈鴨川をどり〉,宮川町歌舞練場では〈京をどり〉,上七軒歌舞練場では〈北野をどり〉,祇園乙部の祇園会館(ここだけが歌舞練場の名を改称した)では〈祇園をどり〉が現在行われている。
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