ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正義論」の意味・わかりやすい解説
正義論
せいぎろん
A Theory of Justice
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…西洋における正義の理論は,紀元前5世紀のギリシア人,とくにアテナイで活躍したソフィストたちによって根本的に新しい展開を遂げた。ソフィストたちは,単にある行為が,たとえば,獄中で毒杯を仰いで従容(しようよう)として死についたソクラテスの行為が,〈正しい〉かどうか(これを行為レベルの〈正義論〉と呼んでもよい),またある制度,たとえば奴隷制,が正しいかどうか(〈制度レベルの正義論〉)という問題を論じたばかりでなく,さらに一歩を進めて,ある行為やある制度が〈正しい〉と人々が判断するとき,その判断の〈正しさ〉の判定のための客観的な基準が果たして存在するか否かを正面から論じたのである。こうして,ある行為やある制度が正義にかなっているかどうかという問題だけでなく,〈正義とは何か〉ということが問われたのである。…
※「正義論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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