正蒙(読み)せいもう(その他表記)Zheng-meng

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正蒙」の意味・わかりやすい解説

正蒙
せいもう
Zheng-meng

中国,北宋儒者張載 (横渠) の代表的著作。 10巻。煕寧9 (1076) 年成立。書名は蒙昧未明を正すという意。太和,参両,天道,神化,動静,誠明,太心,中正,至当,作者,三十,有徳,有子,太易,楽器,王てい,乾称の 17編に分けられている。同時代の周敦頤と比べて,『易』と『中庸』とを中心とした思想である点は同じであるが,周敦頤のように太極・無極を説かず,万物生成を一気の聚散と「」の本源的なあり方を示す太虚で説明する。朱子の「気」論の形成に大きな影響を与えた。思想上有名な注釈書のおもなものに,朱子の『正蒙解』 (2巻) ,王夫之『張子正蒙注』 (9巻) などがある。

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世界大百科事典(旧版)内の正蒙の言及

【張載】より

…政治家としてもかなりの治績をあげたが,王安石と合わず,晩年は家にひきこもって読書と思索に没頭した。このとき書かれたのがその主著《正蒙(せいもう)》である。彼はそこでの哲学を展開する。…

※「正蒙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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