此切・是切(読み)これきり

精選版 日本国語大辞典 「此切・是切」の意味・読み・例文・類語

これ‐きり【此切・是切】

〘名〙 (「これぎり」とも。代名詞「これ」に助詞きり」が付いてできたもの。副詞的にも用いる)
物事を、これまでと終極的に限定し、あとを捨てる意を示す。これで終わり。これが最後。この場かぎり。これかぎり。これっきり。
浮世草子・好色一代女(1686)一「是切(ギリ)に女郎すて行を取留む仕掛有」
多情仏心(1922‐23)〈里見弴妾宅「あたしもう、これきりお目にかかりませんわ…」
② これまでと限った範囲内の質、量、程度などを示す。この程度。これだけ。これっきり。あとに打消を伴うときは、「これだけしか」の意となる。
浄瑠璃傾城無間鐘(1723)一「今川殿の長詮議御大儀々々々さらりっと是ぎりにして済まさっしゃれ」
青年(1910‐11)〈森鴎外〉一〇「君これは返さなくても好いが、僕はこれ切(キ)り出さないよ」

これっ‐きり【此切・是切】

〘名〙 「これきり(此切)」の変化した語。副詞的にも用いる。
滑稽本和合人(1823‐44)初「是(コレ)ッきりになりましたとて、和どもの解死人に出ます理屈も有りさうもないもので御座りますが」

これっ‐きし【此切・是切】

〘名〙 (「これっきり」の変化した語) =これきり(此切)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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