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母体血清マーカー検査 ぼたいけっせいまーかーけんさ

妊娠・子育て用語辞典の解説

ぼたいけっせいまーかーけんさ【母体血清マーカー検査】

出生前診断の一つで、母体血清中にあるマーカー物質(指標となる物質)の濃度を調べ、胎児の染色体数の問題および神経管閉鎖障害の可能性を「パーセント数値」で推定します。3種類のマーカーを調べるものをトリプルマーカー、4種類のものをクワトロテスト、などと呼びます。これらで出た数値はあくまで推定であり、確定ではありません(確定診断のためには羊水検査が必要です)。実際、この検査で高い数値が出ても、生まれた赤ちゃんには何の問題もない場合があります。そのため「すべての妊婦さんが一律に受けるのは問題」とされていますし、日本では推奨されていません。受けるのであれば、専門家による十分な説明とカウンセリングが必須です。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授) 妊娠・子育て用語辞典について 情報

知恵蔵の解説

母体血清マーカー検査

出生前診断の1つで、胎児がダウン症(21トリソミー)、神経管形成不全、18トリソミーである確率を計算する検査。妊娠15〜18週の妊婦の血清中のα‐フェトプロテイン、絨毛性ゴナドトロピン、非結合型エストリオールなどを測定し、さらに妊婦の年齢も加味して疾患の確率を算出する。確定診断のためには胎児(羊水)の染色体検査が必要となる。1999年4月、厚生省(当時)の出生前診断に関する専門委員会は、医師が積極的にこの検査の存在を妊婦に知らせる必要はないとする見解をまとめた。胎児異常を心配する妊婦には、手軽なマス・スクリーニングではなく、十分な情報提供とカウンセリングが必要。

(安達知子 愛育病院産婦人科部長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

母体血清マーカー検査
ぼたいけっせいまーかーけんさ

胎児の先天性疾患の可能性を推定するために、妊娠15~18週に妊婦に対して行う出生前診断の一つ。妊婦の血清中のマーカーを測定して、胎児がダウン症候群(21トリソミー)、開放性神経管奇形(神経管形成不全)、18トリソミー(エドワーズ症候群)などの疾患に罹患(りかん)している確率を計算して推定する。具体的には母体の血液中のタンパク質やホルモンの濃度を分析して胎児の染色体に異常があるかどうか調べる。あくまでも罹患の確率を算出する検査であるため、結果が偽陰性や偽陽性となることもある。高齢出産が増えているため、とくにダウン症候群などでは妊婦の年齢や体重も考慮して確率が算出される。開放性神経管奇形ではさらに、超音波検査や MRI(磁気共鳴映像法)検査によって確定診断を行う。
 使用されるマーカーには、α(アルファ)フェトプロテイン(AFP)単独のもの(シングル・マーカー)、AFPにヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピン(hCG)を加えたもの(ダブル・マーカー)、さらに非抱合型(遊離型)エストリオール(uE3)を加えたもの(トリプル・マーカー)などがあり、ほかにインヒビンAを加える場合(クアドラプル・マーカー)もある。
 なお、この検査は染色体異常について診断するという倫理的問題を伴う検査でもあり、厚生科学審議会では妊婦に対する事前説明のための指針を提示している。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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