毛舌(もうぜつ)とは？意味や使い方

六訂版家庭医学大全科「毛舌」の解説

　舌の表面が毛の生えたような状態になる病変です（図13）。典型的な状態が黒色であることから、黒毛舌(こくもうぜつ)や黒舌症(こくぜつしょう)ともいわれます。しかし、白色を示すこともあります。

　この病変の原因は明らかではありませんが、喫煙や化学物質などの慢性的な刺激によって起こると考えられています。また抗生物質を長期間服用した場合にもこの病変を生じることがあることから、口腔内細菌叢(そう)の変化によるものとも考えられます。

　糸状乳頭(しじょうにゅうとう)が長くなるため、舌に毛が生えたような不快感がありますが、ほかには自覚症状はありません。

　治療法は、原因と考えられるものを除去することです。原因を取り除くと1週間～1カ月程度で自然に治ります。歯をみがいたあとに軽く歯ブラシで舌の汚れを取り除くようにして、口のなかを清潔にすれば治りも早くなります。

井原　功一郎, 後藤　昌昭

出典　法研「六訂版家庭医学大全科」六訂版家庭医学大全科について　情報