黒毛舌(読み)こくもうぜつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒毛舌」の意味・わかりやすい解説

黒毛舌
こくもうぜつ

舌の糸状乳頭(舌上面にある無数の小さな円柱状突起で、ざらざらしており、舌の中部後部に多い)の過角化症が、細菌血色素薬物等によって黒色に着色され、毛の生えたような外観を呈するものをいう。抗生物質の使用によって生ずるものは、口の中の細菌群の菌交代現象、あるいは腸内細菌死滅によると考えられている。好発部位は舌の中央部で、後方に広がる。多くの場合、自覚症状はほとんどなく、原因と考えられるものを取り除くとまもなく消失する。ときには長期の再発を繰り返すものもあるが、いずれ消失する。口の中の清掃に留意し、消毒剤で洗浄し、栄養をよくとるとよい。

[矢﨑正之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒毛舌」の意味・わかりやすい解説

黒毛舌
こくもうぜつ
black hairy tongue

菌交代症一つ。抗生物質を内服している人,特にトローチ剤使用者に多発するもので,舌背中央部が黒色ないし黒褐色を呈し,毛状の舌苔が付着する状態をいう。抗生物質により口腔内常在菌が駆逐され,代ってカンジダが増殖したことに起因し,黒色色素はカンジダと共生する細菌が産生するものである。

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栄養・生化学辞典 「黒毛舌」の解説

黒毛舌

 舌が黒褐色になり,じゅう毛のような表面になる症状

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