気仙沼湾・気仙沼津(読み)けせんぬまわん・けせんぬまのつ

日本歴史地名大系 「気仙沼湾・気仙沼津」の解説

気仙沼湾・気仙沼津
けせんぬまわん・けせんぬまのつ

気仙沼市と本吉もとよし唐桑からくわ町に挟まれた湾で、かなえヶ浦の称もある。湾入口の西に岩井いわい崎、東に御崎おさき(唐桑町)があり、湾中央部に浮ぶおお島によって東西二つ、内湾(西側)・外湾(東側)に分たれる。内湾の湾入は深く、リアス海岸に立地した良港が発達している。また風光明媚なことでも知られ、陸中海岸国立公園に含まれる。鼎ヶ浦の称は、湾周囲に早馬はやま(唐桑町)かめ山・安波あんば山が鼎立していることによるという。スペイン特派使節セバスチャン・ビスカイノは、慶長一六年(一六一一)伊達政宗の許可を得て、仙台藩領の沿岸を盛岡藩領の境界まで測量した。その様子を「金銀島探検報告」に著し、そのなかで気仙沼湾が初めて世界に紹介されることになった。

<資料は省略されています>

気仙沼が港津として登場するのは、慶長五年八月の葛西大崎船止日記(伊達家文書)の「とめの事」に「けせぬま」とあるのからであるが、この時すでに気仙沼が仙台藩海上交通の拠点となっていたことを示すものであろう。しかし本格的な港津の機能は、気仙沼が町場・宿場として機能するようになった正保(一六四四―四八)以前、元和期(一六一五―二四)前後からのことではなかろうか。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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