気管支嚢胞
きかんしのうほう
Bronchogenic cyst
(呼吸器の病気)
気管支の先天的な発育異常による嚢胞で、気管支との連絡があることはまれですが、連絡があると二次感染が引き起こされます。嚢胞壁に腺組織があるため、嚢胞内に液体がたまってきます。縦隔に発生するものは縦隔腫瘍として扱われます。
似た病名で気腫性嚢胞というものがありますが、これは肺胞壁の破壊により気腔内に発生した嚢胞です。
進行性のものはチェックバルブ(吸気は入るが、呼気は出ない現象)がはたらき、X線像では正常の肺が圧迫されてなくなってみえることがあります。上肺野から始まることが多く、自然気胸の原因になります。
切除が基本です。感染がある場合には炎症の改善後に行います。禁煙は重要です。
千田 金吾
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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家庭医学館
「気管支嚢胞」の解説
きかんしのうほう【気管支嚢胞】
胎児(たいじ)のときに気管や気管支の発達に異常が生じて発生する先天的なまれな病気です。
文字どおり気管支粘膜(きかんしねんまく)でおおわれた薄い壁をもつ嚢胞が、縦隔(じゅうかく)または肺内に発生します。
感染をおこさないかぎりは無症状のため、多くはX線検査などで偶然発見されます。
感染をおこしたときには、肺膿瘍(はいのうよう)と似た発熱、膿性(のうせい)たん、血(けっ)たん、喀血(かっけつ)などがみられ、縦隔に発生して気道(きどう)を圧迫すると、喘鳴(ぜんめい)(呼吸の際にゼーゼー、ヒューヒューという音がします)や呼吸困難をおこします。
X線検査、CT検査などで疑われますが、確定はむずかしく、多くの場合、手術によって切除して初めて診断が確定されます。
治療は、感染が落ちついたときに、手術によって嚢胞を摘出します。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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