肺膿瘍とは、
肺化膿症、肺膿瘍、肺
とくにほかの病気がない場合を原発性(一次性)肺膿瘍といい、肺炎に引き続いてみられます。続発性(二次性)肺膿瘍は、肺がん(
気管とつながれば膿瘍・壊死物質(うみと腐った物質)が外に出て空洞がつくられ、この空洞のなかに壊死物質がたまります。
寒気を伴う高熱、
細菌性肺炎の場合とほとんど同じですが、胸部X線検査では、空洞化した陰影のなかにニボーといわれる水平(鏡面)形成像がみられるのが特徴です。黄色ブドウ球菌、
強力な抗生物質を長期間使用し、嫌気性細菌に対する抗生物質も追加します。治るまで1~2カ月かかり、治りにくい時には外科的切除術が行われます。病原菌と投与抗生物質の種類については肺炎と同じです。
なお、A群
呼吸器疾患専門医のいる病院(とくに国立病院機構の呼吸器専門病院など)を受診し、相談する必要があります。
岡田 全司
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…しかし,ブドウ球菌もしくは肺炎杆菌による肺炎のように,肺実質の破壊傾向があり膿瘍をつくることもしばしばみられる場合,両者の区別は必ずしも明確ではない。従来は好気性菌感染による肺膿瘍lung abscessと,嫌気性菌感染による肺壊疽(はいえそ)lung gangreneの二つに区別したが,混合感染例も多く両者を判然と区別するのは困難なこともあり,両者を総括して肺化膿症と呼んでいる。抗生物質の導入により発生頻度は激減し,死亡率も著しく低下した。…
※「肺膿瘍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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