水平三治(読み)ミズヒラ サンジ

20世紀日本人名事典 「水平三治」の解説

水平 三治
ミズヒラ サンジ

明治・大正期の社会運動家 秋田市大工業組合総組長;秋田市議。



生年
文久2年3月10日(1862年)

没年
昭和19(1944)年8月12日

出生地
出羽国(秋田県秋田市)

旧姓(旧名)
渡辺

経歴
秋田藩士の子として生まれ、明治2年水平氏の養子となる。15年に上京し、漢学者根本通明に入門。また、日本の法律顧問を務めたフランス人ボアソナードにも師事し、その世話で19年アメリカに渡った。24年に帰国したのち、八戸や大館でキリスト教伝道従事。32年秋田県立図書館書記となり、我が国初の巡回図書館を開始するなど独自の運営を進め、36年には同館長に就任した。その傍ら、秋田市の出征軍人家族授産会長として慈善活動に当たる。その後、岩手県恩徳金山鉱業所長や日比谷図書館設立準備委員長を歴任し、42年には秋田市にユニバサリスト教会を設立。大正期以降は人類愛に基づいた労働運動を展開し、大正3年秋田市大工業組合総組長に推され、14年には秋田市議に当選した。しかし、昭和初期の労働運動の退潮を機として東京へ移った。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「水平三治」の解説

水平三治 みずひら-さんじ

1862-1944 明治-大正時代の社会運動家。
文久2年3月10日生まれ。アメリカ留学後,郷里の秋田県でキリスト教を布教。県立秋田図書館につとめ,明治36年館長。大正3年大工業組合長となり,労働運動にかかわった。秋田市会議員。昭和19年8月12日死去。83歳。旧姓は渡辺。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android