水茎の(読み)ミズクキノ

デジタル大辞泉 「水茎の」の意味・読み・例文・類語

みずくき‐の〔みづくき‐〕【水茎の】

[枕]
同音の繰り返しで「水城みづき」にかかる。
「ますらをと思へる吾れや―水城の上に涙拭のごはむ」〈・九六八〉
をか」および同音の地名「岡」にかかる。
「―岡の木の葉も色付きにけり」〈・二一九三〉
[補説]「水茎」は当て字で、「水漬みづ」の意ともいう。

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精選版 日本国語大辞典 「水茎の」の意味・読み・例文・類語

みずくき‐のみづくき‥【水茎の】

  1. ( 後世「みずぐきの」とも )
  2. 同音の繰り返しで、「水城(みずき)」にかかる。
    1. [初出の実例]「ますらをと思へる吾れや水茎之(みづくきの)水城(みづき)の上に涙(なみだ)(のご)はむ」(出典:万葉集(8C後)六・九六八)
  3. 「岡」および同音の地名「岡」にかかる。
    1. [初出の実例]「秋風の 日にけに吹けば 水茎能(みづくきノ) 岡の木の葉も 色づきにけり」(出典:万葉集(8C後)一〇・二一九三)

水茎のの補助注記

のかかり方については、( イ )「みずくき」を「瑞茎」(みずみずしい茎)として、瑞茎の生えている岡の意でかかる。また、瑞茎は若いところから「若(わか)」と類音の関係でかかる。( ロ )カヤツリグサ科の植物クグの類をなって縄をつくるところから「緒(お)」と類音を含む「岡」にかかる。( ハ )「みずくき」は「水漬(みづく)(き)」で、城が岡のように土盛りされていたところからとするなど、諸説ある。

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