水酸化鉛(読み)スイサンカナマリ

化学辞典 第2版 「水酸化鉛」の解説

水酸化鉛
スイサンカナマリ
lead hydroxide

】水酸化鉛(Ⅱ):Pb(OH)2(241.21).可溶性の二価の鉛塩水溶液にアルカリを加えると白色沈殿として得られる.含水量の一定しないことから,正しくはPbO・nH2Oと示すべきである.両性物質であるが,塩基の性質のほうがはるかに強い.145 ℃ で分解して一酸化鉛になる.水にほとんど溶けず,常温で安定であるため,最終処理場の廃棄物中に残留する鉛は水酸化鉛(Ⅱ)として安定化させるのがよいと考えられている.[CAS 19783-14-3:Pb(OH)2][CAS 1311-11-1:3PbO・H2O]【】水酸化鉛(Ⅳ):Pb(OH)4(275.23).鉛酸カリウムK2[PbO3]を酢酸で分解すると得られる.赤褐色,水に難溶性の固体.不安定で水を放って二酸化鉛にかわる.正確にPb(OH)4の化学式に相当するものは得られない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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