二酸化鉛(読み)ニサンカナマリ

関連語 塩化鉛 名詞 マリ

化学辞典 第2版 「二酸化鉛」の解説

二酸化鉛
ニサンカナマリ
lead dioxide

PbO2(239.20).酸化鉛(Ⅳ)ともいう.鉛(Ⅱ)塩を臭素水などの酸化剤で酸化すると得られる.黒褐色の等軸晶系の粉末.結晶構造はルチル型構造.密度9.38 g cm-3.熱,冷水,エタノールに不溶,濃硫酸硝酸に微溶.カセイアルカリの濃水溶液に溶けて鉛酸塩を生じる.光分解を受けて四酸化三鉛酸素を,加熱すると三酸化二鉛と酸素を,塩化水素を作用させると塩化鉛(Ⅱ),水,塩素を生じる.過酸化水素によって還元されて酸化鉛(Ⅱ)となり,硫黄やリンとはげしく反応してこれらを酸化する.酸化剤,鉛蓄電池(バッテリー)の正極板,マッチ,爆薬媒染剤,染料製造,プラスチック硬化剤などに用いられる.有毒.[CAS 1309-60-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の二酸化鉛の言及

【酸化鉛】より

…鉛ガラス,蓄電池,塩化ビニル安定剤,農薬,うわぐすりなどの原料として用いられる。
[酸化鉛(IV)]
 二酸化鉛ともいう。化学式PbO2。…

※「二酸化鉛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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