日本歴史地名大系 「江別町」の解説
江別町
えべつちよう
大正五年(一九一六)札幌郡江別村が改称して成立、昭和二九年(一九五四)まで存続した町。周辺地帯の開墾が進捗し、水路と鉄道の接点という地利から工業とともに雑穀の集散地として知られた。大正二年十二国立銀行派出所が置かれた。同八年支店として新店舗を開設(建物は国の登録有形文化財)。同九年石狩川中流・下流に初めて架橋された石狩大橋が開通し、右岸地帯町村との結び付きが促進された。大正一〇年代からは夕張川・豊平川上流部の水害緩和のため、石狩川本流へ短距離流下切替新水路造成や、石狩川本流の捷水路工事で地形変化が進んだ。第一次世界大戦後製鉄・製麻などの企業が進出するが、経済恐慌のため撤退。雑穀集散も鉄道の新設延長や経済不況、石狩川下流部捷水路の通水による水位低下もあり、河川航路に変化と衰退の兆しがみられた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報