江華条約(読み)コウカジョウヤク(その他表記)Kanghwa choyak

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江華条約」の意味・わかりやすい解説

江華条約
こうかじょうやく
Kanghwa choyak

高宗 13年2月3日 (1876年2月 27日) ,朝鮮の江華府錬武堂において江華島事件の処理について,日本と朝鮮の間で調印された条約「日本国朝鮮国修好条規」 (全 12款) をいい,丙子修好協定ともいう。これによって朝鮮の鎖国は破られ,日本は朝鮮および大陸進出の足場を築いた。条約内容は,中国からの独立の表示 (宗主権の否定) ,公使館設置,釜山など3港の開港,日本船舶の朝鮮港湾への避難,必需品買入れ,船具修理などによる入港,沿海測量,海図作成の容認,在留日本人の治外法権などで,江華島事件の賠償問題にはふれず,その内容もかつて日本が欧米諸国に押しつけられた不平等条約の再現であった。この条約に続き,8月 24日「修好条規附録」と「通商章程」が宮本小一と趙寅煕によって調印され,在留日本人の法的権利,通商手続,関税 (数年間免除) 協定などを決定した。

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世界大百科事典(旧版)内の江華条約の言及

【日朝修好条規】より

…江華島事件(1875)のあと,日本と朝鮮とのあいだで1876年2月26日に,朝鮮の江華府で結ばれた〈大日本大朝鮮修好条規〉のこと。江華条約とも言う。日本側の黒田清隆,井上馨両全権,朝鮮側の申(しんけん),尹滋承両全権によって調印された。…

※「江華条約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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