池の内溜池(読み)いけのうちためいけ

日本歴史地名大系 「池の内溜池」の解説

池の内溜池
いけのうちためいけ

[現在地名]武雄市武雄町永島

永島ながしま北端に位置し、武雄領内の最大の溜池である。

寛永二年(一六二五)武雄領で灌漑用水用として築造面積は初め三町一段歩であった。のち文化五年(一八〇八)三法方さんぽうがた(潟)の湿地原野を新田として開発したため農業用水の不足をきたすようになり、蓮池はすのいけ支藩の家臣前田伸右衛門が武雄領の了解のもとに嵩上げを行い、貯水量は倍増した。

佐賀本藩では、水利の神といわれた藩士成富兵庫茂安に潮見しおみ川の水を利用するため溜池築造と同時期に大日だいにち茂手もて石井樋いしいびを設けさせて一千二〇〇石の新田を開発した。茂安がこの石井樋を築造したのち、百数十年を経て、農業用水が不足したため、池の内溜池の嵩上げを行ったもので、嵩上分の貯水量を蓮池藩で利用することになったものである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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