池の谷遺跡(読み)いけのたにいせき

日本歴史地名大系 「池の谷遺跡」の解説

池の谷遺跡
いけのたにいせき

[現在地名]勢和村丹生 池の谷

宮川の支流にごり川の小支流が形成した南北に細長い谷間にあり、西向きの台地緩斜面にあたる。遺跡南方に紀勢本線・国道四二号が通じている。最も近い遺跡は石神いしがみ遺跡で、南南西約六〇〇メートルにある。標高は六五―七五メートル。ここから昭和二五年(一九五〇)の開墾以来、縄文時代から歴史時代に及ぶ遺物が続出し注目をあびた。遺物の散布丹生にゆうに至る村道沿いの畑地一帯に広がっていたが、現在は山林・荒地・牧草地が増している。おもな遺物には縄文式や弥生式の土器石器須恵器土師器などがある。縄文式土器は早期から晩期まで各期に及ぶ。これらは早期は押型文、田戸下層式類似の沈線文、前期は北白川下層II式の半截竹管文、中期は勝坂式類似のもの、後期は磨消縄文や宮滝式類似のもの、晩期は五貫森式や大洞A式ふうの浮線文などで、このうちで多いのは晩期終末の五貫森式などに伴いそうな条痕文系土器である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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