油島新田(読み)あぶらじましんでん

日本歴史地名大系 「油島新田」の解説

油島新田
あぶらじましんでん

[現在地名]海津町油島

金廻かなまわり村の南、長良川右岸に立地する。伊勢国桑名郡に属し、天保郷帳では西の江内えない村の枝郷となっている。宝暦治水工事のうちの難工事である油島締切工事で知られる。元禄一三年(一七〇〇)の伊勢国郷帳(元禄郷帳)に高三七三石余とある。宝暦治水の目論見絵図で、金廻輪中の南端に油島新田とみえる。安永四年(一七七五)の高須輪中村高付(原田文書)に古高三七三石余・新高一七二石余とあり、幕府領。天明八年(一七八八)の飢人夫食願書上帳(佐野文書)にも高三七三石余とあり、家数一七・人数七四で、うち飢人数七〇。旧高旧領取調帳でも幕府領で、村高も変わっていない。明治一六年(一八八三)県境変更により三重県桑名郡から下石津しもいしづ郡に編入、同二二年江内村と合併し油島村となる。

油島治水工事については「岐阜県治水史」などによれば以下のとおり。宝暦治水工事に先立つ延享四年(一七四七)幕府は陸奥二本松藩に手伝普請として木曾川流水の揖斐いび川への流入を減らし、揖斐川の流下を円滑にする工事を命じた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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