朝日日本歴史人物事典 「沼田香雪」の解説
沼田香雪
生年:文化14.4.30(1817.6.14)
幕末明治期の漢詩人。横手(秋田県)の藩校教授沼田孤松の長女。名は卯野。幼時より父の開く天工洞塾で漢学を学んだ。養子に迎えた夫瀬兵衛と長男宇源太を奥州戊辰戦争で失う。その著『後凋園徒然草』はその経緯を綴ったもの。夫の首を風呂敷に包み埋葬場所を求めてさまよう様子など,読む者の心を打つ。後半生は孫らの教育に尽くした。漢詩,和歌の遺稿がある。<著作>沼田宇源太編『香雪遺稿』
(柴桂子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報