沼田香雪(読み)ぬまた・こうせつ

朝日日本歴史人物事典 「沼田香雪」の解説

沼田香雪

没年:明治38.5.5(1905)
生年:文化14.4.30(1817.6.14)
幕末明治期の漢詩人。横手(秋田県)の藩校教授沼田孤松長女。名は卯野。幼時より父の開く天工洞塾で漢学を学んだ。養子に迎えた夫瀬兵衛と長男宇源太を奥州戊辰戦争で失う。その著『後凋園徒然草』はその経緯を綴ったもの。夫の首を風呂敷に包み埋葬場所を求めてさまよう様子など,読む者の心を打つ。後半生は孫らの教育に尽くした。漢詩,和歌遺稿がある。<著作>沼田宇源太編『香雪遺稿』

(柴桂子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「沼田香雪」の解説

沼田香雪 ぬまた-こうせつ

1817-1905 江戸後期-明治時代の漢詩人。
文化14年4月30日生まれ。沼田孤松の長女。父の塾でまなぶ。大窪詩仏(おおくぼ-しぶつ)に詩を激賞され,香雪の号をもらう。戊辰(ぼしん)戦争で夫と子をうしない,その経緯を「後凋園徒然草(こうちょうえんつれづれぐさ)」にまとめた。「香雪遺稿」がある。明治38年5月5日死去。89歳。出羽(でわ)横手(秋田県)出身。名は卯野。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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