法勲寺跡(読み)ほうくんじあと

日本歴史地名大系 「法勲寺跡」の解説

法勲寺跡
ほうくんじあと

[現在地名]飯山町下法軍寺

南から延びる岡田おかだ台地の最先端部に讃留霊王さるれいおう神社が鎮座し、その東方麓にある。近世には上法軍寺村に属していた。創建は不明だが、旧境内に柱座掘込み式の塔心礎石が残存し、旧境内および周辺から八葉の複弁・素弁の蓮華文軒丸瓦、重弧文軒平瓦など奈良時代以前にさかのぼる古瓦が出土することから創建時期を推定でき、当地を開発した綾氏由縁の寺であったと想定されている。奈良・平安時代の経緯は不明だが、「讃岐国名勝図会」「讃留霊王公胤記」などによれば、空海は延暦一三年(七九四)福江ふくえ(現坂出市)の讃留霊公ゆかりの魚御うおのみ堂を、霊公陵墓地の当地へ移し、薬師像を刻して本尊とし、四天王・十二神を配し、別に宝塔を建て五仏を安置した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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