法経六篇(読み)ほうけいろっぺん(その他表記)ha jing lin pian

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法経六篇」の意味・わかりやすい解説

法経六篇
ほうけいろっぺん
ha jing lin pian

中国古代の刑法典。戦国時代の魏の文侯の師,李 悝 (りかい) が諸国の法典を参照して前4世紀初め頃に編纂したと伝えられる。盗法,賊法,囚法,捕法,雑法,具法の6編から成る。商鞅がこれを李 悝から伝授されて秦に入り,法を改めて律と呼んだ。以後秦に行われ,漢初の蕭何がこれに戸律以下3編を加えて九章律を作ったといわれる。法経六篇は中国最古のまとまった成文刑法典と称されるが,伝存せず,その実在性を疑問とする学説もある。特に最近の日本の学界では実在否定論がほとんど定説に近い。しかし,中国近時の学者には,実在を肯定する向きが多く,この存否の結論は出されていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android