波根保(読み)はねほ

日本歴史地名大系 「波根保」の解説

波根保
はねほ

三絡みつがねに所在した。「出雲国風土記」にみえる出雲郡健部たけるべ郷の一部が再編成されて成立した中世の所領。建長元年(一二四九)六月日の杵築大社造営所注進状(北島家文書)の流鏑馬一五番の一二番にみえる。文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳の一〇番に「波根保廿一町五反六十歩西牧左衛門尉」とあり、東国御家人と推定される西牧氏が地頭であった。応永一九年(一四一二)一二月二六日の足利義持袖判下文(波根家文書)により当保の地頭職の半分は塩冶詮清に安堵されている。詮清は明徳の乱で山名満幸方として自害した塩冶駿河守の子ないしは孫と考えられる(「明徳記」、「佐々木系図」続群書類従)。弘治二年(一五五六)には波根四郎左衛門尉に対して「波根之郷御本領之内抜目之事」が安堵されたが(同年二月一五日「尼子氏奉行人連署奉書」波根家文書)、永禄三年(一五六〇)には尼子氏闕所となった波根五郎左衛門尉跡の三分の二を波根駿河守と同四郎衛門に対して与え、残りの三分の一は売却年限が過ぎたら与えるとしている(同年五月二四日「尼子晴久袖判奉行人連署奉書」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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