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闕所 けっしょ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

闕所
けっしょ

土地家屋などの財産を没収すること。鎌倉時代には,御家人が罪科によって,領地を没収されたのちまだ他人に渡っていない土地をさしたが,単に知行人の欠けた土地もさすようになった。没収は一部の場合から全部に及ぶ場合まであり,当時唯一の財産源であった所領を没収される処分は御家人にとって脅威であった。

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百科事典マイペディアの解説

闕所【けっしょ】

(1)中世では所領を没収すること。また知行者の欠けた土地。(2)江戸時代に庶民に適用された財産没収刑。欠所とも。死罪,遠島(えんとう),追放などの付加刑で田畑,家屋敷,家財が刑の軽重に応じて全部または一部没収された。
→関連項目神崎荘倉月荘淀屋辰五郎

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世界大百科事典 第2版の解説

けっしょ【闕所】

戦乱,謀反,犯罪などによって没収された所領・所職,もしくはその没収行為をいう。
[中世]
 中世では戦闘の敗者の財産は勝者に,犯罪人の財産は警察権行使者の所有になるのが通例であった。源平合戦や承久の乱で発生した平家没官領承久京方跡闕所鎌倉幕府滅亡後の北条高時法師与党人跡闕所などは,勝者たる鎌倉幕府や建武政府の手に帰し,その一部は直轄領として,権力の経済的な基盤となった。一方平時の日常的犯罪によって発生した闕所は,原則的には犯人を直接追捕検断した者の所有となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

闕所
けっしょ

領有者のいない所領、所有者のない財産のことで、転じて中世・近世の財産没収刑、また没収された財産をいう。
(1)中世では、主人が従者の財産・地位を没収することで、おもに武家で行われ、収公(しゅうこう)・改易(かいえき)ともいった。鎌倉幕府から室町幕府の初期では、幕府が刑罰として御家人(ごけにん)の所領を没収すると、一族の者やその所領の前の領有者が給付を請求できた。室町幕府は闕所処分の決定権を守護にゆだねたので、守護が管国内の武士を被官化する一つの契機となった。実際は領有者があっても、敵対する政治勢力の側からみて闕所と称することもある。現に闕所となっている所領を、直前の領有者の名を付して何某跡(あと)ということがある。
(2)近世では一般庶民に対する死罪、遠島、追放などの刑罰の付加刑。重追放以上は田畑・家屋敷・家財が闕所とされた。[羽下徳彦]

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世界大百科事典内の闕所の言及

【遠島】より

…武士,僧侶神職,庶民など身分を問わず適用され,武士の子の縁坐(えんざ),寺の住持の女犯(によぼん),博奕(ばくち)の主犯,幼年者の殺人や放火などに科された。死刑につぐ重刑とされ,田畑家屋敷家財を闕所(けつしよ)(没収)し,刑期は無期で,赦(しや)によって免ぜられたが,《赦律》(1862)によれば,原則として29年以上の経過が必要であった。全国に散在する幕府の奉行,代官の役所を近江を境に東西に分け,美濃以東の役所で判決した罪人は江戸小伝馬町牢屋に,近江以西の場合は大坂の牢屋に集めたが,長崎奉行だけは直接島に送った。…

【斬罪】より

…幕府の制度,慣習では江戸の北,千住小塚原(こづかつぱら)刑場で執行し,検使たる徒目付(かちめつけ),町奉行与力の立会いのもと,町奉行同心が罪囚の首をはねた。《公事方御定書》下巻によれば,財産没収処分(闕所(けつしよ))も付加される。武士の死刑として切腹ほどに身分的名誉を尊重した罰種ではなく,それよりは重かったが,死屍を様斬(ためしぎり)の用に供することはないなど,同じ斬首の刑ながら死罪の刑よりは軽いものとして,取扱いに差異があった。…

【中世法】より

…家督相続に際して,数人の子のだれを家督に選ぶか,財産を分割譲与するに当たって,相続人の選定,相続分の多少をどうするか,すべては被相続人の意のままであって,女子を家督に選ぶことも,幕府に忠勤奉公する長男を財産相続からはずすことも,ほとんど被相続人の自由であった。 次に,法の内容に立ち入っていえば,家業を継がせる目的で養子を迎える場合には,律令の規定で禁じられた身分の者でもかまわないとか,同様の目的で迎えられた養子は,律令の規定に反して,養父の遺産を独占的に相続することができるなどは,家業継承を第一義として,律令法を積極的に廃棄した公家法の典型的な事例であり,女子が父から譲り受けた財産が婚姻によって婚家に流れることを防ぐために,女子に対する財産譲与に一期分(いちごぶん)(死去の後は実家の惣領に返還する)の条件を付けるとか,妻が夫と死別した後で他家に再婚する場合は,前夫から譲られた財産を持参してはならないなどの制限規定や,罪によって没収された所領について,被没収者の同族・子孫には,後日(ときには数十年から100年に及ぶ長年月の後)これの再給付(返還)を求める権利が留保されている(潜在的闕所(けつしよ)回復権)とする法慣習などは,家産の流出・減少を防ぎ,ときにはいったん流出したものの再取得をも可能にする武家法の具体例である。
[団体維持の理念]
 第2の団体維持の理念については,さきにも挙げた商品関係の座法,芸能関係の座法,地縁共同体の掟,宗門・僧団の制規などに明らかなように,中世社会では団体への帰属意識が強く,勢い,団体の成員と非成員との間に厳然たる身分の壁を設けて(ときには,その中間に准成員の身分を設けることもあったが,その場合も准成員は成員身分に近く,非成員との間の身分の壁は厚かった),成員の特権を守ることによってその団体を維持しようとする傾向が強かった。…

【没収】より

…西洋では,全財産の没収は,すでにローマ法にあったといわれるが,とくに中世から近世にかけて広く行われた。日本でも,鎌倉・室町幕府に〈収公(じゆこう)〉,江戸幕府に〈闕所(けつしよ)〉という家産没収があった。明治維新後も,1870年(明治3)までは〈財産籍没〉が認められていた。…

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