最新 地学事典 「注入褶曲」の解説
ちゅうにゅうしゅうきょく
注入褶曲
injection folding ,piercement folding ,piercing folding ,diapir folding
地殻中のある深さに,周囲の岩石よりも比重が小さく,塑性~粘性流動を起こしやすい物質が存在する場合,これが上位の岩石の割れ目に沿って上昇注入し,被覆岩層をドーム状に褶曲させること。穿(せん)孔褶曲とも。最もふつうにみられる注入褶曲は岩塩層の注入による場合。岩塩層が地下に存在する場合,深くなるほど周囲の岩石との圧力差が増し,この値が岩塩の塑性変形に必要な応力差を超えると,岩塩が塑性流動を起こし,岩株上または壁状に上方に注入移動を始める。岩塩の塑性流動に必要な剪断応力の値は15~30kɡ/cm2とされている。これに必要な圧力差を周囲の岩石と岩塩との間に生ぜしめる深さは,周囲の岩石の比重にもよるが,1,000~4,000mと考えられている。
執筆者:小島 丈児
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

