洞房語園(読み)ドウボウゴエン

デジタル大辞泉 「洞房語園」の意味・読み・例文・類語

どうぼうごえん〔ドウバウゴヱン〕【洞房語園】

江戸中期の随筆。2巻。庄司勝富著。享保5年(1720)成立。江戸の遊郭吉原の歴史・人物談などを述べる。

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精選版 日本国語大辞典 「洞房語園」の意味・読み・例文・類語

どうぼうごえんドウバウゴヱン【洞房語園】

  1. [ 一 ] 俳諧・漢詩文集。随筆。前集三巻・後集一巻。庄司勝富編。前集は元文三年(一七三八)刊。後集は享保一八年(一七三三)成立で、写本で伝わる。吉原の遊女屋主人である編者の作のほか、俳人絵師・遊女などの吉原に関する句文を収める。
  2. [ 二 ] 随筆。二巻。庄司勝富編。享保五年(一七二〇)成立。[ 一 ]と区別するために「異本洞房語園」と称されることが多い。江戸の遊里吉原の歴史を述べたもの。写本で伝わったため、転写の過程で増補記事を加えた異本が多数あり、代表的なものに、山東京伝の増補本や、江戸座の俳人石原徒流が増補した「北女閭起原」(「洞房語園異本考異」は増補記事のみを集めたもの)、寛閑楼佳孝著「北里見聞録」がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「洞房語園」の意味・わかりやすい解説

洞房語園 (どうぼうごえん)

江戸中期の随筆。庄司道恕斎勝富著。1720年(享保5)の自序がある。江戸の吉原遊廓について,遊女の起源や吉原の創設からを詳しく述べた書。吉原について記したもっとも早い解説書として近世以来珍重されている。勝富の祖である庄司甚右衛門が吉原を開設したこと,廓中の各町の名称,遊女勝山,太夫吉田,太夫高尾,散茶(さんちや)女郎の起りなどが記されている。異本があり,本文に出入りがある。
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