津居山村(読み)ついやまむら

日本歴史地名大系 「津居山村」の解説

津居山村
ついやまむら

[現在地名]豊岡市津居山

瀬戸せと村の東に狭い水路を隔てて位置し、南から東は円山まるやま川河口と津居山湾、北は日本海に面する。集落背後に地名の由来となった標高一五九メートルの津居山がある。なおツイヤマはツヤマの音便形と推定され、一六世紀初頭頃ツイヤマが定着しはじめたとみられる。建久五年(一一九四)の成立とされる但州弘原庄五師社来由記(兵庫県神社誌)には、現出石いずし中村なかむらに鎮座する伊福部いふくべ神社は、崇神天皇の頃に「津居山浦」に来着した新羅皇子が創始したと記される。同様の伝承は、大永四年(一五二四)八月日付の出石神社修造勧進状(神床文書)にも記される。「海東諸国紀」には、応仁元年(一四六七)「但馬州津山関佐々木兵庫助源国吉」が朝鮮に遣使したことを記すが、津山関は津居山関のことであろう。津居山は日本海の一要港で、朝鮮との通交もあった。関と記すのは、海の関所が設けられていたからであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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