津淵村(読み)つぶちむら

日本歴史地名大系 「津淵村」の解説

津淵村
つぶちむら

[現在地名]温泉津町井田いだ大字井田

井田村の南に位置する。

〔中世〕

大家おおえ西にし郷に含まれた。嘉暦三年(一三二八)四月一五日の大家庄領家御教書写(石見吉川家文書)に「大家庄西郷内津淵村」とみえ、津淵村の検注以下の事につき雑掌道順が和与状を出すのを認めている。元弘三年(一三三三)八月二五日、当村地頭職が安堵されているが(「石見国目代奉書写」同文書)、この地頭は康永三年(一三四四)八月日の吉川経明軍忠状(吉川家文書)に津淵村地頭吉河次郎三郎恒明(経明)とあって、吉川(石見吉川)氏であった。吉川氏は鎌倉末期に安芸国から石見国に移住してきた経茂を祖とし、その末子が経明である。経明の母は大家庄西郷を領有していた福屋兼仲の娘良円の孫娘(良海)であるので、おそらく大家庄西郷のうち当村を分轄譲与された良円・良海を通じて経明に伝領されたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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