ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「洪邁」の意味・わかりやすい解説
洪邁
こうまい
Hong Mai
[没]嘉泰2(1202)
中国,南宋の名臣,学者。饒州 (じょうしゅう) 鄱陽 (はよう。江西省) の人。字,景盧。号,容斎。諡は文敏。紹興 15 (1145) 年進士に及第。左司員外郎に進み,同 32年金の世宗の即位に際して金に使いして目的を果せず,一時免官となったが,すぐ再び召され,地方の知州と起居郎,中書舎人などの職を歴任,いずれも治績をあげた。のち翰林学士,知紹興府,端明殿学士と進んだ。範囲の広い読書家で,主著『容斎随筆』はその知識をもとに,政治,社会,思想,歴史,風俗,芸術,医学,卜筮,天文,数学など百般の事象に関して,考証を記したもの。また伝聞をもとにして宋代伝奇の代表『夷堅志』 420巻を著わした。著書はほかに『四朝国史』など。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報