浄智寺境内(読み)じょうちじけいだい

国指定史跡ガイド 「浄智寺境内」の解説

じょうちじけいだい【浄智寺境内】


神奈川県鎌倉市山ノ内の寺院。建長寺と円覚寺の中間、鎌倉街道の西南側丘陵の谷戸(やと)内に所在。鎌倉五山第4位で、階段状の谷地形を利用して営まれた禅宗寺院の典型的な姿をよく伝えていることなどから、1966年(昭和41)に国の史跡に指定された。寺は1281年(弘安4)、執権北条時頼の3男宗政の菩提を弔い、その子師時(もろとき)を開基として宗政の妻が建立。現在の建物は、関東大震災後に再建されたものだが、自然林に囲まれた静かな境内には、石段を登ると正面に、上部に鐘を吊り下げた鐘楼門が立つ。奥には曇華殿(どんげでん)と呼ばれる仏殿があり、本尊の三世仏坐像が祀られている。阿弥陀釈迦弥勒の三体からなるこの仏像は15世紀の作でそれぞれ過去、現在、未来を表しているとされ、参道沿いの石段脇には鎌倉十井に数えられる甘露(かんろ)ノ井があり、タヒチガン桜、沙羅双樹(さらそうじゅ)などの樹木が生い茂っている。JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩約6分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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