浄水寺跡(読み)じようすいじあと

日本歴史地名大系 「浄水寺跡」の解説

浄水寺跡
じようすいじあと

[現在地名]豊野村下郷 寺村

小熊野おぐまの川の谷間を望む丘陵上の、下郷しもごう神社・薬師堂・公民館などがある一帯である。県指定史跡。地元では通称キヨミズジと称する。「国誌」は延暦二三年(八〇四)釈迦院(現八代郡泉村)開山弉善の建立とするが、同九年二月二三日の銘をもつ石碑に「弉善骸起浄水寺」とあり、すでに弉善が当寺を建立したこと、益城宇土うと両郡の寺領、収蔵経典などが記され、一帯から平安初期から後期と推定される布目瓦が出土することから、創建は奈良時代末期である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の浄水寺跡の言及

【豊野[村]】より

…標高150~350mの丘陵性山地が広く分布し,北流する浜戸川沿いに小規模な沖積低地がある。古くから開けた地で,西部丘陵地には奈良~平安初期に存在した浄水寺跡があり,当時の紀年銘をもつ四つの石碑が残存する。中央の台地響ヶ原は戦国時代の古戦場で,ここから御船町へ通じる道路には薩摩街道の名が残っている。…

※「浄水寺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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