海士(町)(読み)あま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海士(町)」の意味・わかりやすい解説

海士(町)
あま

島根県の隠岐(おき)諸島島前(どうぜん)、隠岐郡の町。中ノ島1島からなる。1969年(昭和44)町制施行。古代海部(あま)郡。地名は海洋漁猟民の海士に由来する。北西部の内海に面した平坦(へいたん)地に菱浦港(ひしうらこう)があり、鳥取県境港(さかいみなと)、松江市の七類(しちるい)港との間に定期航路がある。小野篁(おののたかむら)、後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)の配流の地で、明治初年徹底した廃仏毀釈(きしゃく)が行われた。後鳥羽上皇に関する資料は海士町後鳥羽院資料館で展示されている。半農半漁の町。菱浦港から観光用半潜水型展望船が就航する。菱浦港付近のクロキヅタ産地は国の天然記念物。面積33.44平方キロメートル、人口2267(2020)。

[江村幹雄]

『『海士町史』(1974・海士町)』


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