日本大百科全書(ニッポニカ) 「海洋博物館」の意味・わかりやすい解説
海洋博物館
かいようはくぶつかん
oceanographic museum
海洋学関係の観測用測器・標本・諸資料を展示する博物館。「海事」「海洋」の名を冠する博物館は世界に数多いが、大部分が海についての軍事・民俗学・自然史等に関する展示物を主とし、本格的に海洋博物館と称しうるものは少ない。世界的に著名なものに、モナコ海洋博物館がある。ノルウェー、オスロのコン・ティキ博物館には「コン・ティキ号」が展示されている。同じくオスロには、ナンセンが北極探検に使ったフラム号、イギリスのロンドンには南極海の海洋観測に活躍したディスカバリー号、アメリカのサンフランシスコにはアムンゼンの探検船ヨー号が保存・公開され、博物館の役割を果たしている。日本には静岡市に東海大学海洋科学博物館、横浜市に横浜マリタイムミュージアム(現、横浜みなと博物館)があり、東京の「船の科学館」は海洋開発関係の展示を特色としている。
[半澤正男 2017年1月19日]
『日本博物館協会編『全国博物館総覧』(1978・ぎょうせい)』▽『『世界の博物館』全23巻(1979・講談社)』▽『『日本の博物館』全13巻(1981・講談社)』