消極的安全保障(読み)しょうきょくてきあんぜんほしょう(英語表記)negative security assurances

共同通信ニュース用語解説 「消極的安全保障」の解説

消極的安全保障

核拡散防止条約(NPT)に加盟し、核保有をあきらめた国は見返りを与えられるべきだとする非核保有国の要求に基づき、米ロ英仏中の核保有5カ国が非核保有国を原則核攻撃しないと約束すること。NPT加盟の非核保有国が核攻撃を受けた場合、国連憲章に従って援助すると約束する「積極的安全保障」と区別される。5カ国はNPTの無期限延長が決まった1995年、消極的安全保障を一方的に宣言したが、法的拘束力を持たせることには反対。その後も法的拘束力を巡る国際社会の議論は進んでいないが、米国はオバマ政権時代に消極的安全保障を強化する姿勢を示した。

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知恵蔵 「消極的安全保障」の解説

消極的安全保障

消極的安全保障とは、非核兵器国に対する核兵器の使用禁止措置。積極的安全保障とは、非核兵器国が核兵器の攻撃や威嚇を受けた場合、その国を核兵器国が援助する約束。ともに核不拡散条約非核地帯条約用語。核兵器の取得を放棄する義務を守る核不拡散条約・非核地帯条約を締結した非核兵器国が、核兵器に対する安全を確保するのが目的。法的拘束力を持った核兵器の使用禁止措置を、核兵器国に要求している。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)

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