核拡散防止条約(読み)カクカクサンボウシジョウヤク

デジタル大辞泉 「核拡散防止条約」の意味・読み・例文・類語

かくかくさんぼうし‐じょうやく〔カククワクサンバウシデウヤク〕【核拡散防止条約】

核不拡散条約

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「核拡散防止条約」の解説

核拡散防止条約(NPT)

核兵器保有国を米英仏中ロに限定して核軍縮義務を課し、他の国の核保有は禁じた条約。5年ごとの再検討会議で核軍縮の進展などを点検、全会一致の最終文書の採択を目指す。191カ国・地域が加盟。事実上の核保有国インドパキスタンイスラエルは未加盟。北朝鮮は2003年に脱退を表明した。核軍縮停滞に非保有国の批判が高まり、17年に核兵器の全面違法化、廃絶を目指す核兵器禁止条約国連で採択され、21年1月に発効した。(共同)

更新日:


核拡散防止条約(NPT)

核兵器保有を米英仏中ロの5カ国に特権的に認める代わりに核軍縮を義務付け、他国の核保有は禁じた国際条約原子力の平和利用も規定。1970年発効、191カ国・地域が加盟。原則5年ごとの再検討会議で核軍縮の進展などを点検する。核軍縮の停滞に不満を持つ非保有国から批判が高まり、2021年1月に核兵器の全面違法化と廃絶を目指す核兵器禁止条約が発効した。保有国は反発、米国の「核の傘」に頼る日本も参加していない。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「核拡散防止条約」の意味・読み・例文・類語

かくかくさん‐ぼうしじょうやくカククヮクサンバウシデウヤク【核拡散防止条約】

  1. ( the Nuclear Non-proliferation Treaty の略語 ) 核兵器保有国の増加を防ぐことを目的に、非核保有国への核兵器移転の禁止、非核保有国の核兵器製造等の禁止、非核保有国の原子力施設に対する国際原子力機関の査察などを定めた条約。正式には「核兵器の不拡散に関する条約」。一九七〇年発効。日本は七六年に加盟。略称NPT。核不拡散条約。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「核拡散防止条約」の意味・わかりやすい解説

核拡散防止条約【かくかくさんぼうしじょうやく】

Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons.NPTと略称。核不拡散条約とも。1963年の部分的核実験停止条約調印後にジュネーブ軍縮委員会で討議が続けられ,米ソ双方の原案をもとに1968年7月ワシントン,ロンドンモスクワで62ヵ国がNPTに調印,1970年3月発効。日本は1976年に批准した。191ヵ国(2010年)が参加している(うち北朝鮮は脱退宣言中。おもな非締約国はインド,パキスタン,イスラエル,南スーダン)。核兵器保有は1967年1月以前に核兵器を製造・爆発させた米国,ロシア,英国,フランス,中国の5ヵ国に限定され,核兵器の他国への譲渡,原子力の平和的目的以外への転用,非核保有国の核兵器製造などを禁止しているが,非核保有国の安全保障措置は除かれている。1995年,国連本部でNPT再検討・延長会議が開かれ,同条約の無条件・無期限延長が決定され,今後5年ごとにNPT運用再検討会議を開催することになった。一方,非締約国の印パ2国が1998年核実験を実施し,イスラエルとともに事実上の核保有国となった。2005年の再検討会議は核保有国と非核国の主張が対立して決裂状態で終わった。2009年4月米国オバマ大統領は米国大統領としてはじめて〈核廃絶〉を提唱する演説を行ったが,北朝鮮が,2006年につづき2009年5月にも核実験を行い,核不拡散問題をめぐって緊張状態が続いている。→トラテロルコ条約ラロトンガ条約ペリンダバ条約東南アジア非核地帯条約
→関連項目核査察原子力原子力管理国際原子力機関国際連合朝鮮半島非核化宣言臨界前核実験

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

知恵蔵 「核拡散防止条約」の解説

核拡散防止条約

核不拡散条約」のページをご覧ください。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「核拡散防止条約」の解説

核拡散防止条約(NPT)(かくかくさんぼうしじょうやく)
Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons

核兵器の拡散防止,核軍縮の促進,原子力の平和利用を目的とした条約。1968年成立,70年発効。95年無期限延長。核兵器保有国には,非保有国への核兵器の委譲を禁止。非保有国には核兵器の製造,取得を禁止し,国際原子力機関(IAEA)の保障措置の受諾を義務づけている。2003年現在,190近くの国が加盟。核保有国に有利な不平等条約との批判や,未加盟の核保有国,保有疑惑国の存在など問題もあるが,核軍備管理に大きな役割を果たしてきた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「核拡散防止条約」の意味・わかりやすい解説

核拡散防止条約
かくかくさんぼうしじょうやく

「核兵器の不拡散に関する条約」(核不拡散条約)の別称。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「核拡散防止条約」の解説

核拡散防止条約
かくかくさんぼうしじょうやく

正式には「核兵器の不拡散に関する条約」。略称NPT。1968年(昭和43)に署名を開始し,70年3月に発効した多国間条約。日本は70年2月に署名,76年に批准した。目的は,締約国間における核兵器その他の核爆発装置の授受や開発援助などを禁止し,核兵器保持国の増加を防ぐこと。原子力発電の軍事利用を防止するための査察など,保障措置も規定。締結国190(2010年6月現在)

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「核拡散防止条約」の解説

核拡散防止条約
かくかくさんぼうしじょうやく
Treaty on the Nonproliferation of Nuclear Weapons

核兵器を現在の保有国以外にふやさないことを決めた条約。略称NPT
1968年6月国際連合総会で採択され,米・英・ソなど56か国が7月に調印,70年3月に発効した。日本は1976年に批准,中国・フランスは92年に加盟,95年には無条件・無期限延長を決定した。この条約には非核保有国と核保有国間の差別を固定化するものという非難がある。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「核拡散防止条約」の意味・わかりやすい解説

核拡散防止条約 (かくかくさんぼうしじょうやく)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核拡散防止条約」の意味・わかりやすい解説

核拡散防止条約
かくかくさんぼうしじょうやく

核兵器不拡散条約」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android