日本歴史地名大系 「涌谷宿」の解説 涌谷宿わくやしゆく 宮城県:遠田郡涌谷町馬場谷地村涌谷宿[現在地名]涌谷町 本町・川原町・新町など江合(えあい)川の右岸、涌谷伊達氏の居館を北東に望む馬場谷地(ばばやち)村に開かれた宿場で、同氏の館下町でもある。奥州街道の古川宿と海港石巻(いしのまき)のほぼ中間にあって、江合川水運の便にも恵まれた交通の要地。仙台道・小野(おの)道をはじめとして、田尻(たじり)(現田尻町)、小牛田(こごた)(現小牛田町)、米岡(よねおか)(現登米郡米山町)、和淵(わぶち)(現桃生郡河南町)に至る道が通る。元和年間(一六一五―二四)北上川改修工事により江合川と北上川が直接つながり、石巻とも近くなった。江合川に並行してほぼ南北に通る本(もと)町四町三〇間を中心にして、その南端で東西に直交して江合川河岸に至る川原(かわら)町二町二〇間、そして本町の北端を西に折れて和田多沼(わだたぬま)村(現南郷町)に通じる新(しん)町三町三七間、および本町の中間から東に向かい、江合川に架かる涌谷大橋を経て涌谷伊達氏の居館に通じる新横(しんよこ)町からなる(「馬場谷地村安永風土記」など)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報