淡河庄(読み)おうごのしよう

日本歴史地名大系 「淡河庄」の解説

淡河庄
おうごのしよう

美嚢みなぎ郡東端、志染しじみ川支流の淡河川流域一帯に展開する庄園。淡川庄とも記した(文安元年九月二二日「田原義延・長嶋清長連署寺領渡状」石峯寺文書)。摂津国北西部にある八部やたべ山田やまだ庄と境の山林部について鎌倉時代より中世末期に至るまで相論を続けている(→山田庄。承久四年(一二二二)二月日の領家下文(「微考録」同文書)によれば淡河庄内にある石峯しやくぶ寺領内に庄家の使者が乱入することを禁じているが、当時の領家は不詳。弘安元年(一二七八)頃には当庄も山田庄も武家所領であるから、境論争について六波羅へ訴え出たが、摂・播両国境を理由に朝廷への出訴が検討されている(六月二〇日「隆恵書状」勘仲記紙背文書)。同四年二月二八日奈良西大寺の僧叡尊は石峯寺に着し、三月四日と五日に同寺本堂において計一千八八二人に菩薩戒を授けた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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