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深海底生物群集 しんかいていせいぶつぐんしゅう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

深海底生物群集
しんかいていせいぶつぐんしゅう

大洋中央海嶺で熱水が噴出している部分や,海溝の陸側斜面でプレートの沈み込みによって海溝部にたまった堆積物から深層水が染出している場所に見られる生物の群集。シロウリガイの一種の二枚貝の仲間や,カニ,チューブワームなどが見られることが多い。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

深海底生物群集

底層水は動物の生活に必要な酸素に富み、栄養塩もかなり多いので、各種の底生生物(ナマコヒトデガラスカイメンなど)が広範囲に、かつ疎らに分布していることが多い。これに対して、熱水噴出孔周辺や冷湧水がしみ出す断層沿いにはチューブワーム(ハオリムシ)やシロウリカイなどの二枚貝、カニやエビなどが密集して生息している。バクテリアが海底表面にマット状に密集したものは、白、赤、黒など、泥との色の違いで識別できる。熱水噴出孔には熱水の高温と還元力を利用して、溶存二酸化炭素から光合成によらずに有機物をつくる化学合成細菌が繁殖し、それと共生するプランクトンや大きな動物が群がっている。噴出する重金属微粒子は生物に必要なリンを海水から吸収する性質がある上、金属微粒子は反応の触媒の役割を果たす。40億年も前に地球で最初に生命が誕生したのも、当時ははるかに盛んであった熱水噴出孔の周辺だったとする説が有力になりつつあり、現在の噴出孔をモデルケースに研究が開始されている(アーケアン・パーク計画)。一方、プレートの沈み込みで圧縮された堆積物から絞り出されたメタンや、硫化水素に富んだ冷水が断層を通じてしみ出している海溝陸側斜面にも、同種の生物群集が見られる。

(小林和男 東京大学名誉教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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