大洋中央海嶺(読み)たいようちゅうおうかいれい

百科事典マイペディア 「大洋中央海嶺」の意味・わかりやすい解説

大洋中央海嶺【たいようちゅうおうかいれい】

各大洋のほぼ中央に位置する海底山脈地球をとりまくように全大洋に連続し,総延長8万km以上となる。世界地溝系と実質的に同じもので,地溝帯や地震帯の連続によって陸上にまで追跡される。大西洋東西に分ける大西洋中央海嶺インド洋中央海嶺インド洋から太平洋へ向かう太平洋南極海膨,東太平洋海膨などが代表的。中央海嶺の山頂部は海洋底が生成されるプレートのわき出し口とされる。プレートは毎年数cmの速さで両側に移動し,海溝沿いで再びマントルに沈み込んでいる。→プレートテクトニクス
→関連項目アフリカ大地溝帯インド洋海底地形海洋海嶺トランスフォーム断層

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岩石学辞典 「大洋中央海嶺」の解説

大洋中央海嶺

大西洋,インド洋,南太平洋のほぼ中央を走る海底火山脈.大西洋中央海嶺が典型的なものとして命名された[地学団体研究会 : 1996].

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世界大百科事典(旧版)内の大洋中央海嶺の言及

【海洋底拡大説】より

…海洋底が大洋中央海嶺(海嶺)の山頂部で生成され,数cm/年の速さで両側に移動し,海溝沿いで再びマントル内に沈み込むとする学説。世界中の海洋底の合計面積は増加するわけではないが,中央海嶺の付近を見れば海洋底は拡大しているので,こうよばれた。…

【海嶺】より

…細長くて幅が狭く,こう配の急な斜面を両側に有する海底の高まりをいう(〈海底地形〉の項目の図1参照)。中軸沿いに浅い地震の列が観測され,海底が生成・拡大しつつあることが明瞭な大洋中央海嶺mid‐oceanic ridgeと,地震活動の列がみられず,中軸部の岩石の年齢も古い非活動海嶺aseismic ridgeとに分けられる。太平洋の南東部に見られる長大な高まりはこう配が比較的ゆるく,起伏もなめらかなので東太平洋海膨とよばれるが,成因的にはこれも大洋中央海嶺の一種である。…

【マントル対流】より

…ホームズは大陸の移動がマントル対流の上に乗って進行することを31年の論文で指摘している。さらにマントル対流の上昇する線上に大洋中央海嶺ができ,下降する線上に造山帯や海溝が存在すると論じた。この考えは明らかに海洋底拡大説の萌芽であるが,海底地殻構造や大洋中央海嶺の性質がさらにはっきりわかってきた60年代のはじめになって,アメリカのディーツRobert S.DietzやヘスHarry Hammond Hessによって明解な学説に形づくられた。…

※「大洋中央海嶺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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