深見草(読み)フカミグサ

デジタル大辞泉 「深見草」の意味・読み・例文・類語

ふかみ‐ぐさ【深見草】

牡丹ぼたん別名
ヤブコウジの別名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「深見草」の意味・読み・例文・類語

ふかみ‐ぐさ【深見草】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物ぼたん(牡丹)」の異名。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「きみをわがおもふこころのふかみくさ花のさかりにくる人もなし〈橘俊綱〉」(出典:経信集(1097頃))
  3. 植物「やぶこうじ(藪柑子)」の異名。

深見草の語誌

( 1 )「本草和名」に「牡丹〈略〉和名布加美久佐」とあるが、「箋注和名抄‐一〇」によれば、この「牡丹」はもともとの「本草」では「藪立花」「藪柑子」のことで、観賞用の牡丹とは別物であるのに、「和名抄」が誤って花に挙げたために、以後すべて「ふかみぐさ」は観賞用の牡丹として歌に詠まれるようになったという。
( 2 )和歌では「思ふ心」や「なげき」が「深まる」意を掛け、また「籬(まがき)」や「庭」とともに詠まれることが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「深見草」の解説

深見草 (フカミグサ)

植物。ヤブコウジ科の常緑小低木,園芸植物,薬用植物。ヤブコウジの別称

深見草 (フカミグサ)

植物。牧丹の古名

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の深見草の言及

【ボタン(牡丹)】より

…接木をはじめ栽培技法も宋代から進み,芍薬の台木を使うことも清代には広く行われた。【梅原 郁】
[日本]
 日本では深見草(ふかみぐさ),二十日草(はつかぐさ)などと呼ばれ,平安時代に宮廷や寺院で観賞用に栽培され,菊や葵(あおい)につぐ権威ある紋章として多く使われた。江戸時代には栽培が普及し,元禄時代(1688‐1704)に出版された《花壇地錦抄》には339品種が記録されている。…

※「深見草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android