ヤブコウジ科(読み)ヤブコウジか(その他表記)Myrsinaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤブコウジ科」の意味・わかりやすい解説

ヤブコウジ科
ヤブコウジか
Myrsinaceae

双子葉植物サクラソウ目の1科。南北両半球の熱帯亜熱帯を中心に 35属約 1000種が分布し,南アフリカニュージーランドにも知られる。高木または低木で,葉は互生し,ときにロゼット状になる。花は総状花序につき両性または単性花,放射相称の4~5数性で,萼片花弁おしべは同数。ただし,花弁は下半部で癒合してカップ状の合弁花冠をつくるものが多い。果実は液果または核果となる。日本にはヤブコウジArdisiaの高木 (モクタチバナ〈木橘〉など) が暖地に生えるほか,林床の低木として同属のマンリョウ (万両)ヤブコウジ (藪柑子)などが自生し,かつ観賞用に栽培される。タイミンタチバナ属 Myrsineの諸種も西南日本や小笠原に自生している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤブコウジ科」の意味・わかりやすい解説

ヤブコウジ科
やぶこうじか
[学] Myrsinaceae

双子葉植物、合弁花類。常緑の高木または低木。組織内にタンニン細胞が多い。葉は互生し、単葉で質は厚く、しばしば縁(へり)や葉肉内に腺(せん)細胞がある。花は両性で普通、5数性、まれに4または6数性。花冠は普通、皿形または筒形で先は5裂し、雄しべは5本で花筒上につく。子房は上位または中位、1室で中央に独立する胎座に数個の胚珠(はいしゅ)がつく。果実は核果で外果皮は肉質、内果皮は堅く、中に1、2個の種子がある。世界の熱帯から温帯に広く分布し、33属約600種ある。子房上位のヤブコウジ亜科と、子房中位のイズセンリョウ亜科に分類される。日本には3属12種が野生し、ヤブコウジ、マンリョウカラタチバナなどが栽培される。

[山崎 敬 2021年3月22日]

 APG分類ではサクラソウ科とヤブコウジ科の扱いが見直され、第3版ではヤブコウジ科はサクラソウ科に統合された。

[編集部 2021年3月22日]

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